「間違いだらけのTPP」




お正月で比較的時間があったこともあり、東谷暁さん著の「間違いだらけのTPP(朝日新書)」という本を読んでみました。

この本は第1刷が昨年の5月30日とあったので「う〜ん、ちょっと時期的にも古いのかなぁ・・・」と思ったのですが、著者紹介欄で東谷氏が山形県出身ということを知り、そんなご縁(?)もあって買ってみました。そして、読んでみたら全然そんなことはなかったです(^^;)

TPPについては当初「農業vs輸出産業」みたいな構図でばかり語られていましたが、実際にはそれ以外の分野のほうがよほど影響があるということが判ってきています。この本にはいろいろとそういうことが書かれています。日本だけが過度に農業を保護しているという批判が必ずしも正しくないことも分かりますし、実際に某国主導で結ばれた経済連携協定でどんなことが起きているのかについても書かれています。本のタイトルからしてもちろん反対派からの視点ですが、推進派も反対派も一読の価値はあるのではないかと思いますよ。

TPPは国家の在り方すら変えてしまいかねない重大な案件だと思いますが、政府は今に至ってもほとんど情報開示せず、それでいて裏では加盟に向けた動きを続けているようです。いったいどこの誰に向かって政治をしているのか疑いたくもなりますが、これだけ重大な問題なのだから、せめて公平な情報開示と充分な議論だけは保証してほしいものだと思いますね。

個人的に今回のTPP論争で腹が立つのは、日本が日本のために政策を立てているとは到底思えない点なんです。なかなか自分の言葉ではうまく書けないのですが、最後にこの本から長めの引用をさせていただき、まとまりのないこの文を締めたいと思います。

[引用]

TPPについてはさまざまな討論が行われていて、私もささやかなものに参加したが、いずれの場合でもTPP賛成派が言うのは「アメリカが言ってきているのだから、いまが改革のチャンスだ」というものだった。

しかし、この発想こそ日本の政治を停滞させ、また、経済をも停滞させている元凶ではないのか。日本にとって必要な「改革」があるとしよう。それは日本国内の利害調整を粘り強く行って実行することで、本当に必要な変更を行い、その矛盾も弊害も最小限に食い止められるはずである。

90年代からの経済改革のほとんどは、こうした内発的なものではなく、アメリカからの要求という外発的なものに終始してきた。その結果、日本経済はどうなっただろうか。いまも停滞を続け、国内には不満があふれかえっている。そしてその改革の「成果」たるや、多くの矛盾や弊害に満ちたものになっている。

もし日本が自分たちに本当に必要な規制や制度の変更を行い、本当に必要だと思われる景気回復策を実行してきたならば、たとえそれが失敗していても、いまのような屈辱感や閉塞感はなかっただろう。そんな失敗は、同じく自分たちの判断でいくらでも改めることができるからだ。 以上

(めぐ)

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