直江状




先日所用で米沢の『伝国の杜』という所に行きました。そこでは、来年1月まで『天地人博』が行われています。時間がなくて展示コーナーは観られなかったのですが、書籍を販売している所を覗いてみたら、口語訳された『直江状』があったので買ってしまいました。

直江状は、徳川方から上杉家への詰問状に対して直江兼続が返答した書状で、これによって家康は上杉討伐を決意したと言われています。そして関ヶ原の合戦がおこることになります。これには諸説あり、上杉討伐の間に石田三成が畿内を平定し、東上して徳川軍を挟み撃ちにする密約が兼続と三成の間にあったとか、家康はそれらを全て読みきっていて、三成に挙兵させ敵対勢力を一気に倒す策略だったのはないか等々、想像力を掻き立てられますね。

直江状の内容は、上杉方からみれば「それはそうだよな」ということが書かれているのですが、その中に痛烈な皮肉がちりばめられていました。一例をあげると、「会津で武具を集めているのではないか」ということに対し、「上方武士が茶碗を集めるように、田舎武士は武具を集めることが趣味で、それぞれの習慣の違いであり、そんなことを気にするのは天下を治める方に不似合いです」といった具合です。詰問状に対する申し開きというより、挑戦状という感じですね。

さて、色々書いてきましたが、現存する直江状は全て写しであり、内容もそれぞれ少し違うということです。ただ、家康は「あれを読んだ時ははらわたが煮えくり返った」と後に語っているそうですから、当時の実質的な最高権力者を激怒させるほどの文章を叩きつけたというのは間違いないようです。凄い胆力ですね。これも上杉家の家風なのでしょうか。(一)

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