TPPについて




日米首脳会談後の共同声明でTPPについて「交渉に際し、一方的にすべての関税撤廃をあらかじめ約束することを求めるものではない」と言うような文言があったそうです。アメリカは何としてでも日本をTPPに引きずり込みたいわけですから、まあこの程度のことはリップサービスとして言うだろうな、というのが個人的な感想です。今後政府もメディアもこの言葉をまるで“例外化へのお墨付きを得た”かのように伝えるでしょうが、本当にそうなのかよく考える必要はあるでしょう。

それにしても、これで交渉参加を否定することは難しくなってしまったでしょうね。ここから先は政府自民党と官僚が本当に国益を守る交渉ができるのか?メディアは正しい情報を隠さず国民に伝えてくれるのか?ということが問題になってくるでしょう。本来してくれて当たりまえのことなんでしょうけど、ここに信頼が置けないところに我が国の哀しさがあるように感じます。交渉に参加するのであれば少なくとも情報を包み隠すようなことは止めてほしいものですが、TPPは“秘密交渉”という側面もあるようなので、果たしてどうなるものか個人的にはとても心配です。

TPP参加の是非を普通に考えた場合、もしアメリカの顔色を窺う必要がなければ誰がここまで参加を推進したでしょう?「アメリカが言うんだから仕方ないよ」とか「中国韓国に対抗するにはしょうがないよ」と考える人が多いようですが、TPPをかつての牛肉やオレンジ自由化交渉の延長戦のように捉えるのはかなり危険なことなように思います。なんたってわざわざ首脳同士が会談して「すべての関税撤廃を求めるものではない」ことを確認しなくちゃいけないほど包括的な自由化を目指している訳ですから。今回のTPPについては多国籍企業や国際金融資本が推進の原動力であり資金源であることは間違いないでしょう。それらのために日本が長い時間をかけて醸成してきた社会制度や文化まで変えられてしまっていいんでしょうか?それで日本に何が残るんでしょうか?すべての人が主体的かつ真剣に考えるべき問題だと思います。そして真剣な議論がなされた上で参加の是非を決めていただきたいものだと切に願います。

それにしても、もともとのTPPはシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリの4か国が始めたとても小さな経済圏の自由貿易協定(2006年発効)でした。なんでこんなことになっちゃったのかな・・・。


あ、ついでに書いておきたいことがありました。

安倍総理は最初の総理就任時に「美しい国 日本」というスローガンを掲げていたように思います。あの当時は「何を寝ぼけたこと言ってんだ、このお坊っちゃんは!」と思っていましたが、もし本気で言っていたのであればTPPが「美しい国 日本」にどの程度の影響を与えるのか分かろうというもの。世襲議員故に抱えているしがらみも人一倍だとは思いますが、ここは信念を貫いて踏ん張ってほしいと思います。そうじゃないとあなたの自民党が選挙前に立てたこの看板が泣きますよー!

長くなりましたが以上です。(めぐ)

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